採れたてのホクホク感をシーズン毎に楽しめるジャガイモ栽培。
最近では家庭菜園でもとても人気ですよね。
ジャガイモを植え付けするときには「草木灰」を切り口に塗るとよいと言われていますが、いざ植え付けをするときに「草木灰」を切らしていたら困ってしまいますよね。
そこで今回は「草木灰」の代用品をいろいろご紹介したいと思います。
ぜひご参考にしてみてくださいね。
目次
「草木灰」ってどんなもの?代替品を選ぶポイントは?
「草木灰」とは、ワラや枯れ草、落葉や枝木などを燃やした後にできる「灰」のことです。
以前は畑や庭などで草木を燃やして簡単に作ることが出来たので、素朴な肥料として農家だけでなく昔から広く親しまれてきました。
防虫や防腐効果があるため、種イモの切り口に塗る習慣もありました。
もし「草木灰」の代替品を選ぶなら、防虫効果と防腐効果があるものを選ぶのがよいでしょう。
また切り口を乾燥させたり、新たに表皮組織をつくってあげることでも同じ効果が得られます。
草木灰の代用品はこの5つがおすすめ!
①ジャガイモシリカ(ゼオライト)
強力な浄化作用を持つ天然鉱石ゼオライトを、灰のように細かな粉にして菜園の土壌改良、また根に活力を与える肥料として改良したものです。
ゼオライトにはとても強い脱水効果があり、水分だけでなく毒素やアンモニアなどもよく吸着するので、種イモの切り口にジャガイモシリカを塗っておくと湿気を取るだけでなく虫も寄せ付けずに腐敗を防いでくれます。
②ハイフレッシュ(珪酸塩白土)
珪酸塩白土は秋田県の八沢木というところだけで採れる貴重な白土です。
土の王様と呼ばれ下痢やケガのお薬としても使われてきただけに、そのミネラルの効果は非常に高く、土だけでなく水もよく浄化します。
この土を利用すると作物はたいへん丈夫に育ちますので、水に溶かして栄養剤として与えたり、さし木の切り口にもよく使われます。
したがってこれを代用すれば強い浄化作用と豊富なミネラルで種イモの切り口を保護してくれるでしょう。
こちらも「灰」に似た微粉末です。
またミリオンという土も成分はまったく同じです。
③ジャガイモ切り口保護材
ゼオライトと酸性白土をミックスした天然粉末剤で微粉末状です。
酸性白土は白色の粘土でとても吸着力があるので乾燥材などによく利用されています。
アルカリ性のゼオライトと酸性白土を合せることで微酸性の資材となりますから、ジャガイモが苦手なアルカリ性に土が傾かないという利点があります。
④お線香の灰
お線香の原料は基本的に木の皮や葉の粉なので、燃えて灰になると草木灰と何らか変わりありません。
種イモにも肥料としても使えます。
⑤わら灰
お線香が最後まで焚けるよう、器に敷く灰のことです。
わらの灰ですので草木灰です。
草木灰の代用品を使う際のポイントは「乾燥させること」
すぐに植え付ける状況でなく、時間が許すのであれば、種イモを切った後、日陰の涼しいところで陰干しし、切り口が乾燥してコルク状になるまで2~3日おいてみましょう。
切り口がかさぶたのような(コルク状)状態になってから植え付ければ腐敗や虫食いの心配も無くて済みます。
また、ハイフレッシュなどをまぶしたうえで、1日天日干しする方法もありますが、この場合、日に当てすぎて種イモがしなびてしまわないよう気をつけましょう。
60グラム以上の大きな種イモなら、発芽しているその部分を割るようにして種イモを切り分けた後、5日程置いて切断面に新たな表皮のような組織が出来るのを待つという方法もあります。
いずれも乾燥させるには、日程や時間に余裕が必要です。
草木灰の代用品として使わない方が良いもの
①石灰
これまでにも野菜を作ったことのある方なら、ご自宅に土壌改善用の石灰のストックがあるかもしれませんよね。
灰のようにサラサラしていて湿気をよくとるので、一見すると種イモにも使えそうですが、石灰は草木灰よりもかなりアルカリ性が強いので、酸性を好むジャガイモにはあまり向きません。
ですがまぶす程度の量であれば土壌環境に強い影響は出ませんから、もしどうしても代替品として使う場合には少量にして(草木灰の3分の1程度)塗るようにしてみましょう。
②練炭の灰
燃やした後の灰は草木灰と同じように使えそうですが、練炭の原料には木炭の他に、石炭やコークス、さらに粘着剤などが含まれています。
そのため、草木灰の代わりには使わない方がよいでしょう。
草木灰は手作りすることもできる!
草木灰は焚火が可能な場所があれば自分で簡単に手作りできますが、まずは必ず自治体の窓口へ焚火をしてよいかを確認しましょう。
自治体によって条例が異なり、私有地内であっても焚火が禁止されていることがあります。
許可されている場所で可能な条件が揃ったら、消火準備を十分にしたうえで焚火をしましょう。
【用意するもの】
✔ 落葉や枯葉、ワラや落ちている小枝など、よく乾いているもの
※大きな枝を入れると高温になりすぎて、きれいな灰がとれなくなることもありますので木を入れたいときは小枝にしましょう。
手順
- 30センチほどの穴を掘り、新聞紙を入れてマッチなどで火をつけます。
- そこに用意した草木を少しずつ入れていき、ゆっくり燻す感覚で燃やしていきます。
(※コツとしては燃え残りがないように最後までしっかり燃やすことです) - 火が鎮まって全体が灰になったら、ジョウロなどでゆっくり水をかけて消火しましょう。
- 2~3日おいて乾燥すれば出来上がりです。
- もし土や燃えかすなどが混じっているときはふるいにかけるといいでしょう。
また焚火で草木灰をつくるときは、風の強い日を避け、焚火中はくれぐれも目を離さないよう注意しましょう。
まとめ
まとめ
✔ 草木灰の代用品は以下の5つがおすすめ。
【ジャガイモシリカ・ハイフレッシュ・ジャガイモ切り口保護材・お線香の灰・お線香用のわら灰】
✔ 代用品を使用する際は、切り口を乾燥させるようにすると良い。
✔ 草木灰は手作りすることもできる。以下の点に注意するようにしよう。
【焚火が可能かどうかを確認する・消火準備を十分にしてから行う・あれば薪ストーブや火鉢で行なう】
✔ 石灰と練炭の灰は代用品に似ているが、使わない方が良い。
種イモや土のコンディション、気候による温度や湿度の違いなどに作物の育成は左右されてしまいますし、植え付けする方のスケジュールやタイミングなどによって、どの代替品や方法がよいのかはきっといろいろ違ってくると思います。