独特の香りとトロっとした食感が人気の「杏仁豆腐」。
食後のデザートにもティータイムのお伴にもぴったりです。
レシピにはよく杏仁霜と書いてあるので、いざ作ろうとした時に杏仁霜がないとちょっと困ってしまいますよね。
そこで今回は、『杏仁霜(あんにんそう)の代用品』についてご紹介していきます。
困った際にはぜひご参考にしてみてくださいね。
目次
杏仁霜とは?特徴や代用品を選ぶ際のコツ
杏仁霜の原料になる杏仁は、杏の種の中のやわらかく白い部分のことで、中国では昔から喉の痛みに効く漢方薬として重宝されてきました。
加えて、杏仁は香りが非常に良いため、砂糖や牛乳などを加えて滋養食とするようにもなりました。
杏仁豆腐にクコの実を添えるのは薬膳の習慣です。
今ではとても身近なスウィーツになった「杏仁豆腐」ですが・・・
もともと杏仁自体が少し高価なうえ、調理にも手間がかかるので、あらかじめ杏仁を粉にしたものに砂糖やコーンスターチ、香料、全粉乳などを加え、誰が作っても失敗せずに、手軽に杏仁豆腐を楽しめるように商品化されたのが『杏仁霜』です。
また、杏仁には「甘くて香りのよい南杏仁(甜杏仁)」と「苦みのある北杏仁(苦杏仁)」がありますが、北杏仁は薬用としてのみ用いられるようになったため、杏仁霜に使われているのは主に南杏仁です。
そして、杏仁霜の特徴はなんといってもその良い香りです。
杏仁霜の代用品を選ぶときには、まず「杏仁に似た香りのも」のを選ぶのが良いでしょう。
杏仁霜の代用品はこの10つがおすすめ!
①皇杏(コウキョウ)
中華料理店などプロが使っている杏仁で、杏仁豆腐を作るためだけに品種改良されたものです。
南杏仁よりひとまわり大きく香りも大変よいので本格派向きです。
インターネット通販で購入できます。
②南杏仁(甜杏仁)
南杏仁は「甜杏仁」、または「南杏」と記載されます。
粒状のものや粉状のものがあります。
少し前の時代まで、杏仁豆腐を作るときには、この南杏仁と北杏仁の両方を使ってコクを出すやり方が一般的でした。
ですが最近、北杏仁がお薬としてしか使えなくなったので(販売はされていますが)お店などではこの方法を使わなくなったそうです。
しかし、南杏仁だけでも十分においしい本格的杏仁豆腐は作れます。
③アーモンドパウダー(アーモンドプードル)
アーモンドパウダーは、アーモンドの茶色い外皮を削ったものを粉状にした食材です。
アーモンドパウダーは英語読み、アーモンドプードルがフランス語読みで同じ物のことです。
クッキーやマカロンなど焼き菓子にも幅広く使われています。
元々、杏の木とアーモンドの木は同じバラ科サクラ族の植物で、その実や種の香りがとてもよく似ています。
そのため、アーモンドパウダーは杏仁霜の代替品としてもっともよく使われており、市販の杏仁豆腐にもアーモンドパウダーが非常によく使われています。
そのせいもあってか、「アーモンドパウダーが杏仁霜なの?」と思う方も多いかと思います。
実際、杏仁霜にアーモンドパウダーと併記してある商品もあるため、すこし紛らわしいのですが、同じバラ科ではあるものの、杏とアーモンドはまったく別の植物です。
ですが、なにはともあれ、アーモンドパウダーで代用すれば、美味しい杏仁豆腐が作れますし、スーパーでも手軽に買うことができるうえ、比較的安価です。
④アーモンドエッセンス
アーモンドエッセンスとは、アーモンドの香り成分を凝縮させた液体です。
ビター風味とロースト風味があり、ビター風味が杏仁豆腐向きです。
ブラマンジェやパンナコッタに風味付けするイメージで加えるとよいでしょう。
⑤アーモンドミルク
アーモンドミルクは、最近人気の乳糖とコレステロールがゼロのミルク風飲料です。
文字通りアーモンドとミルクの風味があるので、牛乳の代わりに使うだけで杏仁豆腐の風味になる便利な代替品です。
⑥アマレット
アマレットとは、杏を原料としているイタリア生まれのリキュールです。
これを利用するとよい香りづけになります。
ただ、子どもさんが食べるときにはよくアルコールが飛ぶように調理段階で工夫しましょう。
⑦杏露酒
杏露酒は、杏を丸ごとお酒につけた中国のリキュールです。
杏仁の風味たっぷりですから、代替品になります。
アルコール度数が高いものもあるので、アマレット同様気をつけましょう。
⑧絹ごし豆腐とココナッツミルク(平野レミさんのレシピ)
安価なものでよいので、大豆の匂いの少ない絹ごし豆腐を1センチ角のさいの目に切っておき、ココナッツミルクに牛乳と砂糖を足してよく混ぜておいたスープのなかに、お好みのフルーツと一緒に投入しましょう。
そこにアーモンドエッセンスを少し加えてミントなどを添えると、あら不思議、杏仁豆腐です。
ココナッツミルクは代用品になる?
ココナッツミルクとは、ココナッツの種子からとれる乳状の食材で、甘い香りがします。
杏仁やアーモンドとは異なるものの、アジアンな風味が特徴なので、代用とまではいきません。
しかし、杏仁霜が足りない時やいつもとちがったテイストで作ってみたい時に、プラスしてみると良いでしょう。
⑨杏仁豆腐ミックス
有名中華シェフ監修のものや無印良品、ハウス食品、日清製粉などいろいろな食品メーカーが販売しています。
どれもお湯と牛乳だけで簡単に作れるようになっていますので、アレンジも自由にできるでしょう。
時間に余裕がないときはとても便利ですよね。
⑩杏の実
杏の実が手に入ったら種を取り出し、半分にきれいに割ることができると、杏仁もきれいに取り出せます。
殻は非常に固いので、ハンマーやキリ、ノミなど、使い慣れている道具を使うのがおすすめです。
ビワの種の粉は食べないようにしよう
杏と同じバラ科の植物、「ビワの種の粉」を杏仁の代用にする方法もありますが、2017年に農林水産省から「ビワの種の使用について」の注意喚起がありました。
実際の健康被害は出ていませんが、もし杏の種子を利用してみたい時(自分で種を割って杏仁を取り出すなど)、その他のバラ科の種を使ってみたいときは、念のために農水省のHPを一読しておくと安心でしょう。
【CHECK!!】ビワの種子の粉末は食べないようにしましょう|農林水産省
まとめ
まとめ
✔ 杏仁霜とは杏の種の中の南杏仁(甜杏仁)を粉にしたものに砂糖やコーンスターチ、全粉乳、香料などを加えたもの。
✔ 杏仁霜は杏仁豆腐が誰にでも簡単に作れ、また広く手軽に食べてもらえるように商品化された。
✔ 代用品を選ぶ際のコツは杏仁に香りが似ているもの、なめらかな口当たりの邪魔にならないものがおすすめ。
✔ 杏仁霜の代替品は以下の9個がおすすめです。
【皇杏・南杏仁(甜杏仁)・アーモンドパウダー・アーモンドエッセンス・アーモンドミルク・アマレット・杏露酒・絹ごし豆腐とココナッツミルク・杏仁豆腐ミックス】