お菓子作りはよくするけれど、「パン作りは難易度が高いのでなかなか手が出せない…」という人は多いと思います。
それにいざパンを作ろうとすると、色々な道具が必要です。
例えば…ハード系のパンを作ろうとすると、レシピには「クープナイフ」という道具が出てきます。
しかし、「クープナイフって何?」「持ってないから作れない!」と困ってしまうこともありますよね。
そこで今回は、「クープナイフの役割&代用品」についてご紹介します。
ぜひパン作りに役立ててみてくださいね。
目次
クープナイフとは?役割や代用品を選ぶポイント
クープとは、フランス語で「切り取られた」という意味を持っており、ここでは焼く直前にパンに入れる切り込みのことを指します。
そんなクープを入れるための道具がクープナイフです。
ハードパンの代表であるフランスパンには割れ目のような模様がついていますが、あれがクープによる切り込みなのです。
このハードパンに切り込みを入れる理由は以下の通りです。
切り込みを入れる理由
- パン生地を膨らませる
フランスパンなどのハード系のパンは、食パンやコッペパンといったソフトな食感のパンに比べると材料がシンプルです。弾力や膨らみの元となるバターなどの油や卵も少な目なので、そのまま焼くと膨らむより先に固まってしまいます。そこでクープを入れると、焼くときに切り込み部分がパンの中の水分の蒸発と一緒に伸びて膨らんでくれるのです。
- 火の通りを良くする
フランスパンは中に大小の空洞があります。これは中まで火が通り、水分の蒸発で空いたもの。切り込みから程よく水分が抜けるので、パンの中に水分が残らず軽い食感が楽しめるようになります。
- 見た目を良くする
パンはクープを入れた切れ込みから膨らむため、きれいな形に仕上がります。切れ込みは深いものから浅いものまであり、浅く入れると模様として浮き上がらせることができます。
以上のように意外に多くの役割があるクープナイフですが、代用品を選ぶ際には「刃の切れ味が良いもの」「なるべく薄いもの」を意識して選ぶようにしましょう。
クープナイフの代用品はこの4つがおすすめ!
クープナイフの代用品は身近にあるもので代用可能です。
パン作りを頻繁にする人なら専用のナイフを購入した方が便利ですし、仕上がりもきれいです。
ですが、たまにしか使わないという人は代用品でも十分に事足ります。
ナイフには種類がたくさんありますし、いちいち買っていると収納する場所にも困ってしまいますよね。
【クープナイフの代用品①】果物ナイフ
クープナイフは切り込みを入れるためのものなので、同じく「切る」という用途から果物ナイフが代用品として使えます。
包丁よりも刃渡りが短く、厚みもそれほどないのでちょうど良いです。
【用意するもの】
✔ 果物ナイフ
✔ 濡らした布巾
手順
- 切り込みを入れる場所を決めます。
いきなり切り込みを入れると間違えたときに修正が大変ですので、指でつまんで跡をつけておきます。 - ナイフを濡れ布巾で拭いて少し湿らせます。
- ななめ45度くらいの角度で刃先を入れます。
- 刃先が入ったら、手早く一気に切り込みを入れましょう。
今日焼いたパンのクープ(切り込み)は、いい感じに入れられたと思う(我が家比) クープナイフがないので、果物ナイフを研いで代用(笑) pic.twitter.com/8XWPDK91Ey
— kyokoura (@uraky) April 15, 2017
【クープナイフの代用品②】カミソリ
クープナイフはカミソリのような刃がついていることから、普通のカミソリも代用品として使えます。
できれば新品が良いですが、なければ普段使っているものでも良く洗って消毒すれば使えます。洗う際は手を切らないよう気を付けてください。
【用意するもの】
✔ 新品のカミソリ
✔ 濡らした布巾
手順
- 切り込みを入れる場所を決めます。
いきなり切り込みを入れると間違えたときに修正が大変なので、指でつまんで跡をつけておきます。 - カミソリを濡れ布巾で少し湿らせ、ななめ45度くらいの角度で刃先を入れます。
- 刃先が入ったら、手早く一気に切り込みを入れましょう。
クープ(切り込み)を入れるのに、クープナイフの柄が見つからず、竹串で代用(笑)全然問題ありませんでした!
これも昨日先生が「僕は100均の竹箸削って自作してます」と聞いたから。 pic.twitter.com/OwuJvmv5bC— mayumi🙌師走は江戸でお逢いしましょう🙌 (@musicaeru) March 28, 2017
【クープナイフの代用品③】ハサミ
カミソリや果物ナイフがなければ、ハサミも代用品として使うことができます。
ハサミの場合は片方の刃をナイフのように使うので、なるべく厚みがなく薄いものを選んでください。
また、キッチンハサミではなく、普通のハサミを使う場合には良く洗って念のため消毒しましょう。
【用意するもの】
✔ ハサミ
✔ タオルや軍手など
✔ 濡らした布巾
手順
- 切り込みを入れる場所を決めます。
いきなり切り込みを入れると間違えたときに修正が大変なので、指でつまんで跡をつけておきます。 - 刃を広げて、片方の刃と持ち手を一緒に持ちます。
ケガをするのでハサミが閉じないように気を付けるのと、ハサミを持つときは軍手やタオルなどで刃が手に当たらないよう注意してくださいね。 - 濡らした布巾で刃を湿らせ、広げたまま片方の刃をなめ45度くらいの角度で印に入れます。
- 刃先が入ったら、手早く一気に切り込みを入れましょう。
【クープナイフの代用品④】クリアファイル
もし刃物がなければ、クリアファイルでも代用できます。
クリアファイルはある程度強度があり、柔らかいものなら切ることができるのでパン生地に切り込みを入れるくらいなら可能です。
ただし、こちらも良く洗って使ってくださいね。
【用意するもの】
✔ クリアファイル
✔ 濡らした布巾
手順
- 切り込みを入れる場所を決めます。
いきなり切り込みを入れると間違えたときに修正が大変なので、指でつまんで跡をつけておきます。 - クリアファイルの角を濡らした布巾で拭いて少し湿らせ、ななめ45度くらいの角度で角を入れます。
この際、グッと差し込むように入れてください。 - 角が入ったら、手早く一気に切り込みを入れましょう。
代用品を使う際の注意点
代用品を使う際には、ちょっとした注意点があります。
下記点を気を付けないときれいに仕上がらないことがあるので注意してくださいね。
①作業は素早く行うこと
パン生地はデリケートですので、作業は素早く行わなければなりません。
慎重にやりすぎて生地の乾燥が進むと切り込みがうまく入れられず、表面がヨレたりパンが潰れたりする可能性があります。
②刃は都度湿らす
パン生地の表面は乾燥していても、内部は水分を保っています。
そのため、中まで切り込みを入れると刃にパン生地がくっついてしまう可能性があります。
そうするときれいな切り込みにならず、そのまま焼いても形がいびつになってしまいますので、切り込みを入れる前に湿らせて、生地がくっついてこないようにしましょう。
まとめ
まとめ
✔ クープナイフとは、パンにクープを入れるための道具。
✔ クープとはフランス語で「切り取られた」という意味を持ち、切り込みのこと。パンを膨らませたり中まで火を通す目的がある。
✔ クープナイフの代用品は切れ味がよく、薄いものが向いている。
✔ 代用品として、果物ナイフ、カミソリ、ハサミ、クリアファイルが使える。
✔ 代用品を使う際には手早く作業を行い、刃は切り込みを入れる都度湿らせるようにする。