ハンバーグに使われるスパイス「ナツメグ」。
使わないとハンバーグが完成しないのでは?と思わせる程、料理レシピでもよく見かける名称ですが、コショウや塩などと違って必ずしも家にあるとは限りません。
そもそもハンバーグにはナツメグを入れないといけないのでしょうか?そして、その他のスパイスで代用できるのでしょうか?
今回はそんなハンバーグへのナツメグの役割・代用品についてご紹介していきます。
目次
ナツメグとは?
(ナツメグ 出典:Wikipedia)
ナツメグは四大香辛料(うち3つは、コショウ・シナモン・クローブ)の一つ。
ナツメグの木の実の種子中にある胚乳部分を乾燥させ粉末状にして作られ、種子の皮部分もメースという名のスパイスとして使われています。
ナツメグは、独特な甘さと香りを持ちますが、味は香りと違ってちょっと苦め。
その独特な風味が、肉料理、特にひき肉料理と相性がよいため、ハンバーグによく使われています。
また、意外にも、肉料理だけに相性が良いというわけではなく、ドーナツやクッキーなど菓子類にも使われている香辛料です。
私たちにはナツメグと言うと食用として使われているものを目にする機会が多いですが、インドでは昔から内服・外用など薬用として使われている非常に貴重なものとなっています。
肉豆蒄(にくずく)という名で漢方でも扱われていて、食欲不振や腹痛・下痢などといった症状に処方されます。
ちなみに、ナツメグは大量に摂取すると、幻覚・興奮作用が出るなど有毒なものになります。日の摂取量は3g以下とし、摂り過ぎには気を付けましょう。
とはいえ、それほど多くの量をハンバーグに使用することはないので、普通に料理に使っている分には気にせず使って大丈夫です。
ナツメグをハンバーグへ入れる理由は?そもそもいらない?
ナツメグには、野菜の甘味を引き出し風味豊かに仕上げる効果があるとともに、肉や魚などの臭み消しの効果もあります。
ハンバーグにとってのナツメグは、玉ねぎなどひき肉内に入っている野菜の甘みを引き出すとともにひき肉の臭みを消し、コクと風味を与える役割をになっています。
このようにナツメグは、入れることでより本格的な味にランクアップさせることができる便利な香辛料なのです。
もう一味ほしい、もうちょっとプロっぽい味に仕上げたいなと思うのであれば、ソースなどを工夫するとともに、ナツメグを入れてみると結構味に差が出てくれます。
ただ、ナツメグが必要かどうかは人それぞれ。
ナツメグがなければ絶対ダメということはなく、なくても十分おいしいハンバーグは作ることができます。
個人差があるので、機会があれば、ナツメグを「入れてみた味」と「入れてみない味」を一度試してみるのもいいかもしれません。
ハンバーグへのナツメグの代用品はこの7つがおすすめ!
【ナツメグの代用品①】タマネギ
ひき肉:玉ねぎ=3:2の割合を目安に入れてみてください。
もともと玉ねぎは入れますがそれよりも少し(気持ち程度)入れることで、玉ねぎの味と香りが強まり、ひき肉の臭いを消してくれます。
【ナツメグの代用品②】ニンニク(すりおろし)
香りや風味の主張がナツメグよりも強めではありますが、それが良い意味でいい味を出してくれます。
仕上がり的にはナツメグ入りのハンバーグとは風味が異なりますが、ニンニクの香りで肉の臭いも消せますし、何よりもニンニク好きに人にとっては最高のハンバーグとなってくれるでしょう。
【ナツメグの代用品③】生姜(すりおろし)
にんにくとはまた風味が異なりますが、生姜もまた主張の強い香りと風味を持ちますので、ひき肉の臭いをうまい具合に消してくれます。
ただ、入れすぎると生姜の味が際立ちすぎてハンバーグとは違うものになってしまうので気を付けましょう。
【ナツメグの代用品④】コショウ
四代調味料の一つ、コショウを少し多めに入れてみてください。
普通のコショウでもいいのですが、お勧めは黒コショウ。ナツメグとは違うプロっぽい味を演出してくれます。
ジューシーなハンバーグの中に、ピリッとアクセントとしてコショウを入れると、いつもと違ったハンバーグが味わえます。
【ナツメグの代用品⑤】赤ワイン
フルーティーな赤ワインの風味とコクがひき肉の嫌な臭いを消し、風味をより際立たせてくれます。
なければ料理酒でも構いません。
ハンバーグソースに赤ワインを使う場合もありますが、是非一度ハンバーグ自体にも赤ワインを使って作ってみてください。
【ナツメグの代用品⑥】オールスパイス
オールスパイスとは、フトモモ科の常緑高木になる果実からできる香辛料のことです。
ナツメグとクローブ、シナモンの味を合わせたような風味があるので、ナツメグの代用としては打って付けの香辛料です。
4種類のハンバーグ比較。
ハンバーグにはナツメグではなく、オールスパイスが良さそう。玉ねぎは生のままにして、少し食感を残した方が楽しいかも。
右下のは、先日水分量間違えてお粥になった玄米の塊。焼いてみたけど…変わりナシ。現場からは以上でーす。 pic.twitter.com/EHBovSGczr— 食堂 キッチナ (@kitchena_to) 2019年1月22日
1つ持っていると、いろんな料理に使うことができるので重宝します。
【ナツメグの代用品⑦】牛乳
ハンバーグには、もともと牛乳を使いますが、それよりも少し多めにパン粉に浸し使ってみましょう。
目安は、肉250gに対して大さじ6程度。
牛乳にも肉の臭い消し効果があるので、十分にナツメグの代用品となってくれます。
入れすぎると肉が緩くなって、まとめづらくなってしまうので気を付けましょう。
【ナツメグの代用品⑧】その他スパイス類
他にも「パプリカ・ターメリック・ローズマリー・セージ・ミント・山椒」などといったスパイスで代用することもできます。
昨日作ったハンバーグ。
たまねぎはみじん切りではなくフードプロセッサーでペーストに。ナツメグの代わりにバジルを入れてさっぱり感を演出。
蒸しの工程には白ワインを投入。付け合せのナスはフライパンに残った肉汁を吸わせ、それにケチャップとxo醤と軽く合わせて旨みのあるソースにしてます。 pic.twitter.com/vsSeqLbKBd
— ねぎまる@料理垢 (@cookrsw13) 2018年8月4日
自画自賛。美味しかったハンバーグ。
味噌を練り込みクリームチーズを添えました。
ナツメグの代わりに山椒を。 pic.twitter.com/rixbIm1TLS— むらのあきこ (@MuranoAkiko) 2017年12月21日
それぞれに個性的な風味と香りを持ちますが、ひき肉との相性はいいので、一味違った味を演出してくれるでしょう。
ナツメグにも代用品にも頼らず作る方法
【方法1】ソースに頼る
濃いめのソースをかければ、ハンバーグそのものの味をごまかすことができます。
それでもダメなら、煮込みハンバーグにしてしまいましょう。
煮込むことでハンバーグ全体がソースの味をまとってくれます。
【方法2】冷蔵庫に入れる
温めると肉の臭いが発生してしまうので、冷やし臭いを消した状態で調理をします。
「完成したタネを焼く前に一度冷蔵庫で冷やす」または、「冷蔵庫で冷やした状態からハンバーグを作る」など、肉を温めずに作ることで肉の臭さを消すことができます。
ほかにもハンバーグの中にチーズを入れ、チーズハンバーグにしてしまうという手もあります。
ひき肉と相性の良くないスパイスについて
同じスパイスでもナツメグとは香り・風味が全く異なるものもあります。
①クミン
甘い香り・ほろ苦い風味を持つナツメグに対し、クミンは独特な香りや味を持つ香辛料。
クミン自体がとっても個性的な味をしているので、何かの代用をしたり、されたりなどは到底無理な話。
ナツメグのような役目はせず、使うとちょっと変わった味のハンバーグができあがってしまいます。
②シナモン
シナモンは、甘い香りと甘い味を持ちます。
ナツメグとは香り部分では同じようなものの、味が正反対なので代用することができません。
シナモンはお菓子系によく使われる香辛料なので、ひき肉とは相性が良くありません。
まとめ
まとめ
✔ ナツメグはナツメグの木の実のタネ(胚乳部分)からとれた香辛料のこと。
✔ ナツメグがなくてもハンバーグは作れる。
✔ ナツメグの代用品は以下の通りである。
【タマネギ・ニンニク・生姜・コショウ・赤ワイン・オールスパイス・牛乳・その他スパイス類】
✔ ソースを工夫、肉を冷蔵庫で冷やしたりすることで、ナツメグや代用品がなくても肉の臭みを消すことができる。
✔ クミンとシナモンは、ひき肉と相性の良くないスパイスなので、代用には向ない。