ホームメイドのフランスパン。焼きたての美味しさは格別ですよね。
でもいざ作ろうとしたときに、モルトパウダーが切れていたら困ってしまいますよね。
そんな時、モルトパウダーの代用品を知っていると便利です!
そこで今回は、『モルトパウダーの代用品』をご紹介しますので、ぜひご参考にしてみてくださいね。
目次
モルトパウダーとは?役割や代用品を選ぶ際のコツ
モルトパウダーは、発芽した大麦を煮出したエキスを粉末状にしたもので、酵素(α-アミラーゼ)と麦芽糖を含む製パン素材です。
一般にフランスパンと呼ばれるハード系のパンは食事用という風習からか、かなり固めに焼きあげるのが特徴で、小麦、イースト、塩、水というシンプルな材料で作ります。
砂糖やバターはソフトなパンになるので基本的に使いません。とはいえイーストが発酵するのには酵素や糖分が必要です。
小麦粉にもアミラーゼが少量含まれていますが、モルトパウダーを加えることで、酵素と麦芽糖が充分にプラスされ、非常に風味豊かで焼き色のよいフランスパンが出来上がります。
また、今回モルトパウダーの代用品を選ぶコツとしては、「イーストなど酵母の働きにエネルギーを与えてくれる物」。
つまり・・・
「酵母のエサをつくってくれるもの」「焼き色をよくしてくれる性質を持つもの」を選ぶとよいでしょう。
モルトパウダーの代用品はこの8つがおすすめ!
①モルトエキス(モルトシロップ)
モルトパウダーの原料です。麦芽シロップともいいます。
成分や働きはモルトパウダーとまったく同じです。
モルトシロップ1:お水1の割合でモルト溶液を作り、材料に混ぜ込みます。
②麹・塩麹
発酵食品の麹や塩麹にはでんぷん分解酵素のアミラーゼ、モルトにも多く含まれるたんぱく質分解酵素のプロテアーゼが豊富に入っています。
アミラーゼは小麦のでんぷんを分解かして麦芽糖をつくり、イーストの発酵を助けます。
またプロテアーゼの働きで、グルテンの伸びがよくなり、炭酸ガスを保持するのも助けますので、酵素のアシスタントとしてモルトの代用になります。
使用料は小麦粉がフランスパン2本分の250gだとすると、米麹の場合40~45粒くらいでしょう。(様子をみて加減してくださいね)
また、小麦粉250gにたいして通常5gくらいの塩をいれますが、これを塩麹で代用する場合、塩麹は塩よりも塩分濃度が低いので、少し多めに(塩麹の種類にもよりますが)入れるか、塩5gに塩麹を少しプラスするのがよいでしょう。
③砂糖類
家庭で楽しむのだから、すこしばかり風味に欠けるのは問題ないけど、やはり焼き色はよくしたい。
そんなときは一番身近なお砂糖を使いましょう。
白砂糖、グラニュー糖、ブラウンシュガー、キビ砂糖やてんさい糖でも大丈夫です。
モルトパウダーを1g入れる代わりに4~6gほどが適量でしょう。
その他モラセスなどの甘味料、ハチミツでも代用できます。
④モルトパウダー配合の小麦粉
モルトパウダーミックスされている小麦粉も代用品として活躍します。
代用品
- リスドォル(準強力粉)
パン屋さんやパン作りの好きな人たちに、とても愛されているメジャーな小麦粉です。
モルトパウダーが入っていることに気がつかないまま使っている人もいるかもしれません。
ハード系のパンだけでなくデニュッシュなどの菓子パンにも向いていて、とても扱いやすい小麦粉です。北米・オーストラリアからの小麦を日本で製粉しています。
- メゾン・カイザー・トラディショナル(準強力粉)
人気のベーカリーショップ、メゾンカイザー製の小麦粉です。フランス人オーナーが直々にプロデュースした独特の風味とレトロでクリーミーな色合いが特徴です。ハード系パンだけでなくフォカッチャをはじめ、あらゆるパン作りに使えます。北米・オーストラリアの小麦を日本で製粉しています。
- ラ・トラディション・フランセーズ(準強力粉)
パリでとてもメジャーな製粉メーカーの麦粉です。バゲットのコンクールで優勝した職人さん達は、みなこの小麦粉を使っていたとか。香ばしくカリッとしたクラスト(パンの表面)、そしてクラム(パンの中身)はもちもちに焼き上がります。焼き菓子にも使われます。フランス産。
- ジェニー(準強力粉)
香ばしくてほんのり甘い風味が人気のフランスパン用小麦粉です。クラストに甘みを出したいときに好まれます。菓子パンにも向いていて、北米・オーストラリアの小麦を日本国内で製粉しています。
これらの小麦はスーパーで買える場合もありますが、確実なのは専門店や輸入食材店、ネット通販での購入でしょう。
なお、これらモルトパウダーが入っている小麦粉にさらにモルトを加えても、適量であれば特に問題ありません。
⑤ハードブレッド専用粉ER(準強力粉)
「ER」とはヨーロッパの略称で、タイプERと呼ばれています。
ハード系のパンだけでなく、クロワッサンやデニッシュにも使われます。
ブレンドされているのは米麹、クロレラエキス、アセロラ粉末の3種類です。
「米麹」:モルトにも豊富なたんぱく質分解酵素プロテアーゼが含まれている。
「クロレラエキス」:生地に弾力を与え、保湿性を高める。
「アセロラ粉末」:ビタミンCの効果で生地が引き締まる。とあり、これだけ配合されていると、とても使いやすいですよね。
モルトの話とは別ですが、ビタミンCを生地に入れると生地が弱酸性を保ってイーストが活性化します。
⑥ビール
粉に加える水をビールにします。
必ず「麦芽100%」もしくは「麦芽・ホップ100%」のものにしましょう。
ビールは麦芽を発酵させたものが原料なので代用品になるでしょう。
⑦料理用粉末ビール酵母
小麦粉250gに対して大さじ3/4くらい入れて、生地に混ぜ込みます。
イーストが活発化するので代用できるでしょう。
⑧代用品なしで作る
代用品を入れると入れないでは、焼き上がりや風味において違いが出てしまうのは否めません。
ですが、もともとフランスパンは小麦粉、イースト、水、塩というシンプルなレシピで作れるパンです。
まとめ
まとめ
✔ モルトパウダーは発芽大麦から作られている粉末。
✔ モルトパウダーは、主にフランスパンなどに用いられ、風味や焼き色をよくする役割がある。
✔ 代用品を選ぶ際のコツは、酵素を含む食品や糖分を選ぶと良い。
✔ モルトパウダーの代用品は以下の6つがおすすめ。
【モルトエキス、麹・塩麹、砂糖(ブドウ糖)、ブレンド粉、麦芽100%ビール、ビール酵母(酵素入り)】
パン作りはいろんな方法があり、これが絶対正しいというものはおそらくありません。