カレーやピクルスやマリネをスパイスから調合して作っている方が増えていますね。
スパイスにはたくさんの種類がありますが、独特の辛みと酸味を持ち、色々なお料理に使いやすいマスタードシード。
カレーやピクルス作りに活躍しますが、取扱いしていないお店も多いですよね。「使いたいけどない!」そんな時はどうすれば良いのでしょうか?
今回は、そんな困ったときに役立つマスタードシードの代用品をご紹介します。
目次
マスタードシードとは?特徴・役割
マスタードシードとは、アブラナ科の種子を乾燥させた香辛料です。
直径1~2mmの小さな球状で、油や水分と混ぜ合わせることで独特の辛みと苦み、香りがあることから様々な料理と相性が良いスパイスです。
私たちがよく見る機会のある粒マスタードのつぶつぶはこのマスタードシードになります。
【役割①】風味・コクが生まれる
お肉の下ごしらえに使われるマスタードシード。
辛み成分が肉や魚のタンパク質と反応して臭みを消しています。
また、ツンとした芳香は臭みを感じさせないので、薬味のように使うことができます。
ホールスパイスを油で炒めその香りを油に移すことを”テンパリング”と言いますが、マスタードシードをテンパリングするとナッツのような香ばしさが油に移ります。
この油で具材を炒めると風味がよくなりコクが出ます。
シンプルな野菜炒めも一気にインド風に、たくさんのスパイスを使ったカレーでも、全体の香味がまとまり旨味がアップします。
【役割②】効能・健康効果
一粒がとても小さなマスタードシードですが、鉄分やマグネシウム、リンなどの必須ミネラルを豊富に含んでいます。
植物性なので吸収率も高く、私たちの体の働きをサポートしてくれます。
また、辛み成分アリルイソチオシアネートは近年“ファイトケミカル”の一つとされ、ポリフェノール同様、注目を集めています。
ファイトケミカルとは、植物が自身をまもる為の化学成分で私たちにとってうれしい効果がたくさんあります。
マスタードシードの効果
・唾液の分泌を促し食欲を増進、胃腸の内壁も刺激し消化吸収、利尿を促進
・血液を固める血小板の働きを整え、血行促進
・抗酸化、抗癌化作用
・免疫力改善
・気管支、肺機能改善
・代謝促進、脂肪燃焼
【役割③】カビ防止
辛み成分アリルイソチオシアネートには抗菌作用があります。
ピクルスにマスタードシードが使われるのは風味付けだけではなく、抗菌作用によって保存性を高めるためです。
このアリルイソチオシアネートを利用した抗菌剤なども市販されています。
マスタードシードの代用品はこの3つがおすすめ!
カレーやピクルスなど、スパイスから手作りしてみようと思っても近所のスーパーでは売っていないことも多いですよね。
【マスタードシードの代用品①】クミンシード
ハンバーグ作りで活躍するクミンシード。
肉、魚、野菜いずれとも相性が良く、常備されている方もいるのではないでしょうか。
カレーの香りが特徴的で、辛みと苦みがあります。
カレーを作る際、マスタードシードは油に風味を付けるスタータースパイスとして使われます。
マスタードの辛みは加熱によってほとんど残らず、香ばしい香りが残ります。
クミンシードも同じくスタータースパイスとして使うことができます。
【マスタードシードの代用品②】粉からし
ブラウンマスタードの種をすりつぶしたものが粉からしとなりますので、問題なく代用できます。
マスタードシード同様、粉末のままだと辛みや香りはありませんが、粉末を水またはぬるま湯で練ることで辛さや香りがでます。
辛みは揮発性が高く、加熱すると辛みはなくなります。
酢やレモン汁、ワインなどによって辛み成分が覆われ、酸欠状態になると辛みが分解されにくくなりますので、ピクルスやマリネを作るとツンと鼻に抜ける辛みが残ります。
市販のチューブ入りからしは食塩やお酢などで辛み成分が抜けないように作られていますので、その点は注意しておきましょう。
【マスタードシードの代用品③】粒マスタード
マスタードシードを酢などの調味液に漬けこんで作る粒マスタード。
粒をそのままスパイスとして使いましょう。
こちらも加熱して使うことで辛みや酸味が抜けますが、カレーのスタータースパイスやピクルスの材料として使うことができます。
同じアブラナ科の植物ですが、こちらの種にはエルカ酸という有害物質が含まれており、大量摂取は危険です。
菜種からとれる菜種油ですが、日本の食用向け国産菜種油はエルカ酸が含まれていない品種から搾油しています。
マスタードシードを使ったおすすめ料理
体に嬉しいたくさんの嬉しい効果があるマスタードシードを普段のお料理にも取り入れてみませんか。お手軽にできるお料理3品をご紹介します。
①根菜のマスタードシード炒め
マスタードシードをテンパリングし、ニンジンや大根などの根菜を炒めて塩と胡椒で味付けすれば出来上がり。
簡単にインド料理ができあがります。
ブロッコリーとポテトとひよこ豆のサブジ。クミンとマスタードシードのテンパリングと、焦げる〜🔥、の一歩手前で、とにかく水を入れずに蒸し焼きする加減。ぎゅーっと、野菜の甘味とスパイスの風味が濃いサブジ、初めて作れた^^ pic.twitter.com/hq1Ysz364W
— sachiyo (@scya1214) 2019年3月11日
②カレー
マスタードシードをテンパリングし、具材を炒めるだけで普段のカレーがワンランクアップします。
ココナッツオイルやココナッツミルクを使うとより本格的になりますよ!
カレーにマスタードシードは絶対使う pic.twitter.com/uO76J54aOh
— itaru☺︎®︎13 (@itaru_tkhs) 2019年3月8日
マスタードシードを家庭菜園してみよう!
(カラシナ 出典:Wikipedia)
マスタードシード、ご家庭でも栽培し収穫することができます。
ホームセンターなどで売っている”黄からし菜”の種をまき収穫してみましょう。
からし菜は冷気を好みますが、適応性が高くどんな土壌でも良く育つので栽培しやすい植物です。マスタードシードを収穫するまでの流れを見てみましょう。
収穫までの流れ
①種まき ②間引き ③からし菜収穫 ④開花 ⑤さやが成長⑥さやの変化(緑色→茶色)がみられたら収穫 ⑦乾燥 ⑧種子取出し
種まきから収穫までは2~3か月ほどです。間引きした葉や、からし菜も楽しめますね。
まとめ
まとめ
✔ マスタードシードとは、アブラナ科からし菜の種のことで、鼻に抜ける独特の酸味、辛みをもつスパイスとして、様々な料理で使われている。
✔ マスタードシードには素材の臭みをけし、風味・コクを加え、抗菌・保存性を向上させる効果がある。
✔ マスタードシードに含まれる辛み成分はファイトケミカルとしても注目され、抗酸化、抗癌化作用や免疫力改善、脂肪燃焼などの効果がある。
✔ マスタードシードの代用品には【クミンシード・粉がらし・粒マスタード】の3つがおすすめ!
✔ 菜花の種は、有害物質エルカ酸が含まれているため、食用とするのは危険。代用品としては使用できない
✔ マスタードシードは栽培することもできる。
✔ マスタードシードを使ったおすすめ料理は「根菜炒め」「粒マスタード」「カレー」。